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さらかぞえ(皿かぞえ) [sarakazoe]

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ある家の下女十の皿(さら)を一つ井におとしたる科(とが)によりて害(がい)せられ、その亡魂(ぼうこん)よなよな井のはたにあらはれ、皿を一より九までかぞへ十をいはずして泣叫(なきさけ)ぶといふ。此古井(こせい)は播州(ばんしう)にありとぞ。 鳥山石燕『今昔画図続百鬼』
「此古井は播州にありとぞ」
皿かぞえとは皿屋敷のお菊さんの事だが、これは播州の話のようだ。

播州の話は、番町とおおまか同じだが、お菊さんはお家乗っ取り計画を阻止するための女スパイの設定になっている。
入り込んだ屋敷の主に間者である事がばれ、家宝の揃い皿の欠品をでっち上げられ捕らえられる。
そのまま責め殺され、お菊さんは古井戸に投げ捨てられてしまう。
そして、その井戸からは夜な夜な皿を数える声が聞こえてくるようになったと云う。

史実的な裏付けはありませんが、姫路城の敷地内に”お菊井戸”と呼ばれる古井戸が現存し、結構有名。
また、“於菊虫”と呼ばれる妖怪もいて、これはお菊さんの怨念が虫となって帰ってきたものらしい。
姫路城は“長壁姫”も居るし、妖怪城だなこりゃ。

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