にゅうないすずめ(入内雀) [nyuunaisuzume]
- 藤原実方(ふぢはらのさねかた)奥州(おうしう)に左遷(させん)せらる。その一念(ねん)雀(すゞめ)と化(け)して大内に入り、台盤(だいばん)所の飯(いひ)を啄(ついばみ)しとかや。是を入内雀(にゅうないすゞめ)と云。 鳥山石燕『今昔画図続百鬼』
- 実方雀(さねかたすずめ)とも。
奥州に左遷され、都を想いながらその地で没した歌人、藤原実方が化けたとされる怪鳥。
毎朝、内裏の清涼殿に現れ台盤(食事を盛る台)の飯をついばんだそうだ。
昔の人は、作物を食い荒らす雀を実方の怨霊と考えたのかもしれない。
実在の入内雀は東北で繁殖し全国に飛来するらしい。