こわい(狐者異) [kowai]
- 狐者異(こわい)は高慢豪情の一名にして、世話に云無分別者也。生ては法にかゝはらず、人を恐れず、人のものを取くらひ死しては、妄念執着の思ひを引て、無量のかたちを顕し、仏法背法の妨をなす依って、仏経にも狐にたぐへて疑心にたとへり。ただ恐るべきは自己の悪念なり。この貧着をさらざる時は、仏といえどもきらい恐れ給うと有。世に恐ろしきことをこわいと云は、是より出たる詞也。 『繪本百物語』−桃山人夜話−
- 怖〜い。
と云う言葉の由来の妖怪さん。
なにごとをも救う仏様でも嫌い恐れる。
云うならば最強の嫌われ者で、全ての嫌悪を一身に背負いこんでいる。
こう云う妖怪も必要なのかもしれない。