かたわぐるま(片輪車) [katawaguruma]
- むかし近江国甲賀郡(あふみのくにかうがごほり)によなよな大路(おおぢ)を車(くるま)のきしる音(おと)しけり。ある人戸のすき間よりさしのぞき見るうちに、ねやにありし小児(せうに)いづかたへゆきしか見えず。せんかたなくてかくなん、〽つみとがはわれにこそあれ小車のやるかたわかぬ子をばかくしそ。その夜(よ)女のこえにて、やさしの人かな、さらば子をかへすなりとてなげ入レける。そのゝちは人おそれてあへてみざりしとや。 鳥山石燕『今昔画図続百鬼』
- 子供をさらって行く妖怪さん。
でも、謙虚な態度ででれば返してくれる人情派。
“輪入道”も元々はこの妖怪のことみたい。
んじゃ、輪入道の奥さんってことで。