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かじがばば(鍛冶が媼、鍛冶が嬶) [kajigababa]

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土佐国野根(とさのくにのね)と云処に鍛冶屋(かぢや)ありしが、女房(にょうぼう)を狼(おゝかみ)の食殺(くひころ)しのり移(うつ)りて、飛石(とびいし)といふ所にて人(ひと)をとりくらひしといふ。
『繪本百物語』−桃山人夜話−
鍛冶が嬶(かじがかか)とも。
この話は、千疋狼(せんびきおおかみ)として全国的に見られる話のようだ。代表的なところで、高知県の「鍛冶が嬶」(かじがかか)、島根県の「小池婆」(こいけばば)、新潟県の「弥三郎婆」(やさぶろうばば)等。

おおむねの話は、夜に狼の群れに襲われた人が木の上に避難。 すると狼達はそれぞれが肩車をし櫓を組み、木の上の人を襲おうとする。
しかし、あと一歩届かない。
そこで、狼達は親玉である物の怪のリーダーを呼ぶこととする。
呼ばれて登場したリーダー(白毛であったり、一回り大きかったり、はたまた猫や鬼婆だったり)は、櫓の天辺に登り人に襲いかかろうとするが、反対に刃物で切りつけられあえなく退散。
夜が明けて、木から降り滴り落ちた血痕を辿ってみると、とある家(鍛冶屋)へ辿り着く。
物の怪は、傷を負ってその家の女房(母親)になりすまし寝ていたが、そこでとどめを刺される。

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