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ひでりがみ(魃) [hiderigami]

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名を早母(そうぼ)といふ。もろこし剛山(がうざん)にすめり、その状(かたち)、人面(ひとのおもて)にして獣身(けものゝみ)なり。手一つ足(あし)一つにして走(はし)る事、風(かぜ)の如し。凡此神出る時は早(ひでり)して雨ふる事なし。 鳥山石燕『今昔画図続百鬼』
もともとは、古代中国に書かれた『山海経』に出てくる旱魃を起こす神。
魃(ばつ)と読み、性別は女性だったらしい。
体長は二、三尺(約60〜90cm)、獣の身体で人面、手一本足一本の異形。
走るのは風のように早いそうだ。
「走(はし)る事、風(かぜ)の如し」
当時の旱魃被害の広がりの早さを思わせる一説である。

人間に被害をもたらす恐怖の神は異形の妖怪になるようだ。
まあ神と云うものは、ありがたいものだけではないと云う事か。

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