ふぐるまようび(文車妖妃) [fugurumayoubi]
- 歌に、古しへの文見し人のたまなれやおもへばあかぬ白魚(しみ)となりけり。かしこき聖(ひじり)のふみに心をとめしさへかくのごとし。ましてや執著(しうぢゃく)のおもひをこめし千束の玉章(づき)には、かゝるあやしきかたちをもあらはしぬべしと、夢の中におもひぬ。 鳥山石燕『百器徒然袋』
- 文車(ふぐるま)の付喪神。
文車とは、公家社会において家に代々伝わる文書や蔵書を災害時にすぐに持ち運べる様にしたもの。 車倉とも言うらしい。
『百器徒然袋』には、文庫の破れた箇所から手紙らしき文書を引っ張り出している女性が画かれている。
その顔は恨みたっぷりの鬼の形相。
どうやら恋文を捨てられた女性の怨念が鬼と化したらしい。