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あぶらあかご(油赤子) [aburaakago]

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近江国(あふみのくに)大津の八町に玉のごとくの火飛行(ひぎやう)する事あり。土人云、むかし志賀の里に油をうるものあり、夜毎(よごと)に大津辻(つぢ)の地蔵の油をぬすみけるが、その者死(しゝ)て魂魄炎(こんぱくほのほ)となりて 今に迷(まよ)ひの火となれるとぞ。しからば油をなむる赤子は此ものゝ再生(さいせい)せしにや 鳥山石燕『今昔画図続百鬼』
油を舐める赤ん坊姿の妖怪。
解説によると、近江の大津に火の玉が飛ぶ怪事があった。
それは昔、盗んだ油を里に売りにきた者の死後の迷える魂ではないかと。 それから村では油を舐める赤ちゃんが現れ、これは油売りが再生したものではないかと言われた。

油を盗んで罰があたり妖怪になった話は叢原火姥が火にもあり、当時は油が必需品であったことが伺える。
しかし、解説文では妖怪にならず人間として再生した話のようだが、一説には火の玉のようなものが飛んで来て赤子の姿になり油をなめ、そしてまた火の玉のようなものになり飛び去るという解釈もあるそうだ。

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